番組コーナーの中で『湘南在住の魅力的な方から魅力的な方へご紹介していただくコーナー』がある。
いわゆる『友達の輪』のような感じだが、普段の自分の日常では知り合えないような方達にお会いできるのが楽しい。
今日は、茅ヶ崎の織・染作家の二家本亜弥子さんのご自宅に伺った。
二家本さんは、奄美大島ご出身で、徳之島育ち。
アトリエには3台の織り機があり、実際に織る様子を拝見させていただいた。
この織り機は100年以上のもの。
釘を使わず組み立てられたものだそうだ。
二家本さんの作品の数々。触り心地良く、そしてとても美しい。
ハリと光沢が素晴らしい芭蕉布。
糸を作る工程の一部も見せていただいた。
バナナ繊維を用いて作るのだが、糸を作るだけで私にとっては気の遠くなるような作業だ。
これは使えなくなった糸を紡績工場に出して、オリジナルの糸を製作したのだそうだ。
「ムダなものは何もない。今役にたたなくても、何年か後にきっと役に立つんです。それはね、人間関係でも同じなんです。」
と仰る二家本さん。
二家本さんのおうちには、古い家具や古い道具を日常的にごく普通に使っていらっしゃるのが素晴らしかった。
この火鉢も普段使っていらっしゃるそうだ。
糸巻きは、私はわざわざアンティークショップで買ったのだが、まぁ生業とはいえ、二家本さん宅にはごろごろ置かれていた。
物珍しさもあったが、とにかく二家本さんが本当に魅力的で、お話が尽きることがなく、私は取材としては前代未聞の長居をしてしまった。
その言葉ひとつひとつが温かく、私は何度も目頭が熱くなった。
そして偶然にも、私が敬愛するバーンロムサイの名取美和さんと同じ言葉を漏らしていらした。
なんだか初めてお会いしたようには思えない、誰でも受け入れてくださるようなステキな女性であった。
いい出会いができて嬉しかった。